■■■ 蛇行する川のほとり1
- ★★★★☆ 2005/01/28(金)
目を閉じれば、今もあの風景が目に浮かぶ。ゆるやかに蛇行する川のほとりに、いつもあのぶらんこは揺れていた。私たちはいつもあそこにいた…。あの夏、あの川のほとりで、少女達に何が起きたのか?
改めて恩田さんの作品を好きだと実感。
ノスタルジックで何処かふわふわと危うくて妖しく漂う情感が好き。
恩田さんの描く少女が好き。
恩田さんは外界から孤立した、内部だけで完結したひとつの世界とか閉鎖的なものを描くのがとても巧みだと思います。
それに魅せられてる人が沢山居るんでしょうね。現に此処に1人。
■■■ 蛇行する川のほとり2
- ★★★★☆ 2005/01/28(金)
運命の歯車が回り始めた。あの遠い夏の日と同じように…。毯子の過去に隠された驚愕の真実とは!?
くらくらする。恩田さんの描く少女って云うモノがすごく畏ろしいモノに思えて仕方がない。
あんな風に透明な少女なんて存在しない。そう思った。
このつかみどころの無いような、ふわふわしていて、どこか畏ろしい物語にどう終止符が打たれるんでしょう。
■■■ 蛇行する川のほとり3
- ★★★★★ 2005/02/24(木)
彼女たちは、何かを隠している。何か大きくて、重く冷たいものを…。
夏の終わり。少女時代の終わり。
内部だけで完結した閉鎖的なもの。
見えない堅牢な檻に囚われているかのような閉塞感と、同時に感じるのは守られていると云う安堵感。
少女だけの秘密。人間の心の翳り。仄昏さ。愛。
そして、死。
恩田陸さん愛してます(笑)
■■■ ねじの回転
- ★★★☆☆ 2005/02/24(木)
人類を悲惨な運命から救うべく、国連に歴史の介入点に選ばれた1936年2月26日、東京。時間遡行によって歴史を修復するため選ばれた安藤大尉らには別の思惑が…。著者新境地の歴史SF大作。
歴史SF長編エンタテインメント!恩田陸さんはホントどんなジャンルも書けるんですね。これは私がSFが苦手だからかもしれないですが、
『シンデレラの靴』と云う時間遡行の機械の仕組みなどが少しややこしいと思いました。
私は二・二六事件の内容を恥ずかしながら殆どなにも知らなかったんで、国連の思惑やらがあまり理解できなかった気がします。
無知は損だなと思いました。
にしても、魅力的な人物の造型・描写は流石恩田さんだなあと思います。