一八八八切り裂きジャック
AUTHOR
: 服部まゆみ
POINT
:
★★★★★
DATE
: 2004/11/06
-No.30
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:
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切り裂きジャック事件は以前から興味の対象で、服部まゆみさん好きと言うのもあって、かなり読んでいて楽しい作品でした。
物質的にも内容的にも重量感のある作品です。
一頁一頁読み進めるうちにあれよあれよと言う間に1888年のロンドンに引き込まれ、世界観に酔い、現実世界に戻れなくなります。私、この本読んでる最中の現実世界の記憶がありません・笑
読み終わった後のなんとも言い難い喪失感の辛さったら。。
内容は史実に沿っている部分も多く、その所為で、物語的にラスト近くの盛り上がりに欠けるのは仕方がないと思う。
けれどこの本の主人公の柏木に感情移入すると、事件に巻き込まれ本当に何がなんだか頭がぐちゃぐちゃになってしまいます。
柏木さんの健気さに萌えたり誰かを髣髴とさせる鷹原にムカついてみたり。
服部まゆみさん、ってことで一部の人間的においしい要素も含んでいたり。
服部まゆみさんが描いた切り裂きジャック事件は、
華麗さとグロテスクさ、フェティシュ、倒錯感。そんなものが渾然一体となっていて深い闇の美しさを感じた。